【MAU】生物学【課題2】

MAU通信 -生物学

生物学 第2課題

「生物の多様性について、哺乳類を例に論じなさい。なるべく多くの哺乳類の種類をとりあげるようにして、「かたち」と「生活様式」を中心に述べること。」

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レポート本文

  生物とは動物や植物の存在を指す。その数は百数十万種に上るとされ、その内動物は百万種以上いるとされる。本レポートではそのうち、哺乳類のもつ多様性に注目する。哺乳類の数は約5400種と、他の動物群に比べ多い方ではないが、生息する場所は非常に多彩で、そのために様々な形態を手に入れた。哺乳類が遂げた多様な変化とは具体的にはどのようなものか、海に適応した哺乳類、空に進出した哺乳類、樹上で暮らす哺乳類、草原で暮らす哺乳類、極地で暮らす哺乳類、砂漠で暮らす哺乳類、地中で暮らす哺乳類の以上7種類を検討し、環境と哺乳類の多様性を探る。

  第一に海に適応した哺乳類について記述する。これに該当するのはクジラ目と海牛目である。前者はクジラやイルカ、後者はジュゴンやマナティが該当する。クジラ目は最も水中に適応した哺乳類と言え、その姿は水中を泳ぎやすい流線形をしている。水中へ進出するうちに前足はひれ状になり、後足は退化し、現在の姿になったとされる。皮膚のすぐ下には分厚い脂肪層があり、これが体温の低下を防いでいる。水面にだすだけで呼吸ができるように鼻は頭の上についているのも特徴である。海牛目もクジラ目と同様に流線形に近い形態をしているが、全ての生活を水中で行うわけではないため、クジラ目のように高速で泳いだりする能力は無い。しかし脂肪層が厚く、前足がひれ状になっているなどの共通点が認められる。
 第二に空に進出した哺乳類について記述する。これに該当するのは翼手目、コウモリである。空を飛ぶという点ではムササビやモモンガといった動物も該当するが、これらの飛行は滑空であり、羽ばたくという意味で飛行ができる哺乳類はコウモリだけである。コウモリは飛膜と呼ばれるつばさを持ち、後足の股関節が通常の哺乳類と逆向きになっているのが特徴である。これは通常の向きだと、風を受けた時に後脚が後ろに曲がってしまい、つばさが裏返ってしまうためこのような変化を遂げたと考えられる。つばさのおかげで競争相手の少ない空間に進出することができ、適応放散することができた。
 第三に樹上で生活する哺乳類について記述する。これに該当するのは霊長目のサルや齧歯目のリスである。熱帯雨林の食べものの殆どは林冠にあり、葉や果物が一年中育っていることから、多くの哺乳類が樹上に適応し繁栄した。樹上で生活するサルは、物を握るための指がとても発達しており、母指対向性と呼ばれる親指とその他の指が向かい合う手の形をしている。これによって枝から枝へ移動することができる。リスも樹上で生活をするが、サルとは移動方法が異なり、かぎ爪を木にひっかけて登り降りをする。
 第四に草原で暮らす哺乳類について記述する。これに該当する哺乳類はライオンやチーターといった肉食獣の他、ウマやウシなどの草食獣がいる。肉食獣はより獲物を捕まえやすいように、草食獣は肉食獣から逃げるために、それぞれに特化した変化をした。肉食獣は獲物を立体的に認識できるよう眼は正面についており、草食獣はより広い角度を見て捕食者から逃げられるように側面についている。また、それぞれに指行性や蹄行性と呼ばれるより早く走るための特徴がある。
 第五に極地で暮らす哺乳類について記述する。これに該当するのはホッキョクグマである。極地は寒さが厳しく、生物が暮らすにはとても厳しい環境だが、ホッキョクグマは体温を奪われないよう保温性の高い毛皮や分厚い脂肪を持つことで適応した。末端部分は体温が下がりやすいことから手足は短い。また、他のクマ類よりも身体が大きいという特徴もある。これは身体が大きい方が体積に対する表面積が少なくなるため、寒くても体温を奪われにくいという理由があるためである。
 第六に砂漠で暮らす哺乳類について記述する。これに該当するのはラクダで、暑く乾燥した地域に住むラクダは、日差しから身を守るために脂肪や栄養分をコブにため込んでいる。照り返しを防ぐために手足がとても長いのも特徴である。また、その特殊な環境から、砂に沈まないように足の裏はクッション状になっており、砂から守るため、鼻の穴は閉じることができる。
 第七に地中で生活する哺乳類について記述する。これに該当するのはモグラである。土の中は捕食者に襲われにくく、湿度や温度が安定しているため比較的住みやすい環境である。モグラは穴を掘ることに特化した変化を遂げており、前足は穴を掘りやすいよう大きく横向きに、尾や後脚はトンネル内で引っかからないよう短くなっている。身体が柔らかく毛並みがないためトンネル内で容易に方向転換することができる。

  哺乳類は生き延びる為、獲物をより得やすい環境や競争相手が少ない環境に進出した。上記した7種のように、哺乳類はそれぞれ、様々な環境に自らを適応させるために、長い時間をかけ、生き延びるのに必要な能力・部位を進化させ、不必要な能力・部位を退化させた。その積み重ねが現在の多様な生物群を生んだ。哺乳類が遂げた多様な変化とは、様々な環境に適応した結果である。

参考文献

  • 『新・ポケット版学研の図鑑 動物』千代延勝利 学研教育出版 2002
  • 『カラー版徹底図解動物の世界』富永靖弘 新星出版社 2011
  • 『動物の不思議』田村正隆 ナツメ社 2007
  • 『世界哺乳類図鑑』ジュリエット・クラットン=ブロック 新樹社 2005

オススメの参考図書

↑↑ 前回に引き続きこちらがオススメです。
広く哺乳類の特徴や分岐について書かれています。
レポートに必要な情報はこちらの本で大体得る事ができると思います。
生物学の試験は範囲が広くて大変ですが、がんばってください!

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